——演じる上で、特に意識したことは?
磯部恵子さん :私が演じたキャラクターは、神(セイレーン)、ひと(アイシャ)、人魚(ニコル)という役柄でした。神はひとではないですよね、その「人」ではない神聖な部分や、人間としての優しさの部分が前に出て、ユーザーの皆さんに興味を持ってもらえるように演じわけました。
セイレーンは、破壊というよりは創造する神、神秘的な印象です。アイシャはお医者さんなんだけど、正体不明の部分もあって、その謎めいたところを意識しました。ニコルは、いい子なんだけど。。。、お姫様というか、どこかぽかーんとしていて、周りの人が突っ込みたくなる感じ、ですかね(笑)。
——印象に残っている台詞を教えてください。
磯部恵子さん :アイシャの「その願い、私が叶えてあげましょう」という台詞です。
医者と義賊という2つの顔をもつアイシャがよく表れていると思いました。きっとこの台詞は、親しい人に向けられた言葉で、アイシャはその相手を知っているけど、言われた相手はその時はアイシャだとは分からないんです。
そんなシーンが頭にスッと浮かんできました。
セイレーンの「沈みなさい」という台詞があるのですが、決して声を荒げるわけではないのに、とても怖い。抗うことのできない神の偉大な力を表現しました。
ニコルは「あなたが落としたのは、金の斧?銀の斧?それともア・タ・シ?」という台詞です(笑)。
——最後に、本作ではたくさんの女神が登場します。あなたにとって「女神」とは?
磯部恵子さん :手が届かない存在。
向こうは手を差し伸べてくれているのに、こちらからは手を伸ばせない。
そんな近くて遠い存在かな。