(左から、セイレーン、アイシャ、ニコルの3キャラクターを演じている。)
部恵子さんが演じた「アイシャ」は、医者と盗賊(義 賊)という2つの顔を持つ女性だ。金鉱山の悪環境と過酷な労働環境が原因で、「鉄肺病」という病に倒れる村人たちを医者として救う一方で、私服を肥やす鉱山主たちから財宝を盗み出し、貧しき村人に分け与えるという義賊でもあるのだ。手段は違えどアイシャの根っこにあるものは同じ、「弱きものを救う」こと。光の玉を盗み出し、口封じに命を狙われたことをきっかけに「煙と同化する」という力を得る。アイシャはこの特殊な力を、弱きものを救うために使う決意をする。人を守る強さ、高い志、優しき心、磯部恵子さんが演じる美しき大泥棒に誰もが心奪われてしまうのではないだろうか。
——アフレコした感想を聞かせてください。
磯部恵子さん :今回のLeague of AngelsⅡは、絵の描写はアニメではなく、どちらかというとリアルなものだったので、そこは意識しました。あと、いただいたキャラクターの絵が、お胸が。。。ほんとに、もりもりだったのです。だから、最初はセクシー系かなって(笑)
でも、台本や資料を読み込んでいく中で、キャラクターの深い背景ストーリーや、設定があったので、絵に引っ張られずにその世界観を大事にしたいなと思いました。
——演じる上で、特に意識したことは?
磯部恵子さん :私が演じたキャラクターは、神(セイレーン)、ひと(アイシャ)、人魚(ニコル)という役柄でした。神はひとではないですよね、その「人」ではない神聖な部分や、人間としての優しさの部分が前に出て、ユーザーの皆さんに興味を持ってもらえるように演じわけました。
セイレーンは、破壊というよりは創造する神、神秘的な印象です。アイシャはお医者さんなんだけど、正体不明の部分もあって、その謎めいたところを意識しました。ニコルは、いい子なんだけど。。。、お姫様というか、どこかぽかーんとしていて、周りの人が突っ込みたくなる感じ、ですかね(笑)。
——印象に残っている台詞を教えてください。
磯部恵子さん :アイシャの「その願い、私が叶えてあげましょう」という台詞です。
医者と義賊という2つの顔をもつアイシャがよく表れていると思いました。きっとこの台詞は、親しい人に向けられた言葉で、アイシャはその相手を知っているけど、言われた相手はその時はアイシャだとは分からないんです。
そんなシーンが頭にスッと浮かんできました。
セイレーンの「沈みなさい」という台詞があるのですが、決して声を荒げるわけではないのに、とても怖い。抗うことのできない神の偉大な力を表現しました。
ニコルは「あなたが落としたのは、金の斧?銀の斧?それともア・タ・シ?」という台詞です(笑)。
——最後に、本作ではたくさんの女神が登場します。あなたにとって「女神」とは?
磯部恵子さん :手が届かない存在。
向こうは手を差し伸べてくれているのに、こちらからは手を伸ばせない。
そんな近くて遠い存在かな。